Our Story (日本語)

OUR STORY

忘れられたものに、もう一度、物語を。

私たちは、淡路島で暮らす日本人のトモヤとオーストラリア人のシェリルです。

2015年、私たちは東京で自分たちのファッションブランドをやっていました。服を作ることは大好きでしたが、ファッション業界のビジネス的な部分に、少しずつ疲れていました。

2015年淡路島に引っ越して来たばかり
東京に住んでいた時

1. 10万円の空き家から

そこで「デトックス旅行」に出かけることにしました。大量のスムージーを用意して、旅行中はずっと断食するつもりでした。

でも、それは長く続きませんでした。

お腹が空いて、あっさり断念。

そんな旅の途中で、あれよあれよという間に、淡路島で10万円の空き家を買ってしまいました。

10万円の家購入時
別棟のキッチン解体

その家は草木に覆われ、ゴミが山積みになり、シロアリにも食べられ、ボロボロの状態でした。

でも、私たちにはとても魅力的に見えました。

建築の知識なんて全くありません。天井の裏が気になって壊してみたり、床が高すぎると思って取り外したり。

そして、そこで手が止まりました。

まともな道具も、経験もなく、次に何をすればいいのか全く分かりませんでした。

2. 手探りで始めた家づくり

3軒目に買った自宅になった空き家

淡路島に移住して半年ほど経った頃、住むためにもう一軒古い家を購入し、少しずつDIYを始めました。

IKEAのキッチンを取り付け、床を張り、家中をほとんど真っ白に塗りました。

この頃はまだ、木材をまっすぐ切ることさえできませんでした。

その後、3軒目に購入した家が、今の私たちの自宅です。

1階は床さえ張られておらず、地面がむき出しの状態。浴室も未完成で、ある部屋にはピアノと何百本ものビールの空き缶が残されていました。

この家を完成させるのに、1年かかりました。

初めて、一軒の家を最初から最後まで自分たちで完成させることができました。

そんなことをしているうちに、すっかりリノベーションに夢中になり、とうとうファッションブランドを辞めることにしました。

3軒目の床工事

3. nehemiah、そして最初のお客様

最初に買った10万円の空き家は、まだそのまま残っていました。

そんな時、シェリルの父が「宿にしてみたら?」と提案してくれました。

空き家改修の補助金を利用して、2019年12月にリノベーションを始めました。工事の期限は、わずか3か月。

ボロボロになった柱の入れ替えの工事途中
完成した AKIYA nehemiah

アルバイトを辞め、ほとんど毎日、朝から晩まで工事をしました。喧嘩もたくさんしました。

2020年6月末、ようやく完成。

でも、もともと貯金はほとんどなく、完成する頃にはそのわずかな貯金も底をつき、翌月のクレジットカードの支払いさえできない状態でした。

宿を始めても、そんなに予約が入るとは思っていなかったので、すでにアルバイトを探し始めていました。

7月の初め、Airbnbに宿を掲載して、その日は寝ました。

翌朝、予約が入っていました。

2人とも目を疑いました。

そして、その後も次々と予約が入りました。

完成した AKIYA nehemiah の内装

宿泊してくださるお客様から「心が癒された」「また頑張ろうと思えた」という声をいただき、私たちが作ったものは、

ただ泊まるだけの場所ではなくなっていたことに気づきました。

4. 誰も欲しがらなかった家

4軒目に買った空き家(現在 AKIYA cornerstone)

もう一度、挑戦したいと思いました。

愛犬Chestnutと一緒に、時には10キロも散歩しながら空き家を探しました。

そんな時、以前あまりにも状態が悪く、購入を見送っていた家を思い出しました。

今まで探していたのは、最初からきれいになることが想像できる家ばかりだったのです。

でも、誰からも必要とされなくなった家は? 忘れられ、見捨てられた家は?

私たちは、そんなものにこそ可能性を見いだしたかった。ゴミを宝物にしたかった。

そして、その挑戦を神様と一緒に乗り越えたいと思いました。

死ぬほど大変だったキッチンの土間工事
AKIYA cornerstone 完成したキッチン

こうして20万円で購入した家が、『cornerstone』日本語で(礎)になりました。

リノベーションには1年半かかりました。間違いなく、私たちの人生で一番大変な挑戦でした。

2023年1月に完成した時には、喜ぶ余裕さえないほど、2人とも疲れ果てていました。

5. もう一度、服の世界へ

もう二度と家のリノベーションはしない。そう心に決めました。

ところが、その後もサウナを建て、nehemiahの浴室をやり直し、洗濯室まで建てました。

どうやら、私たちはこういう約束を守るのが苦手なようです。

でも、少しずつわかってきたことがありました。何かを想像して、形にして、今までやったことのないことに挑戦する。それが好きだったのです。

5軒目に買った空き家 (現在 Atelier akiya)

そんな時、以前から夢見ていた服のお店を思い出しました。

100万円で売られていた古い家。傾いていて、ゴミだらけ。水道も通っていません。

でも、土壁や瓦屋根、小さな門に惹かれ、その場で購入を決めました。

最初は3軒目の宿にするつもりでしたが、近所の方の心配もあり、一度計画を止めることにしました。

数か月後、改めて家を見ると、低い梁と美しい古い土壁が残る屋根裏の空間がありました。

ここだ、と思いました。

屋根裏の最初の状態
完成した店の屋根裏

こうして『Atelier akiya』が始まりました。何年も家を直し続けてきた私たちが、また服の世界に戻ってきたのです。

6. 私たちの旅は、まだ続いています

振り返ると、計画通りに進んだことなんて、ほとんどありませんでした。

失敗したり、遠回りしたり、お金がなくなったり、自分たちは一体何をしているんだろうと思うこともありました。

でも、そんな経験を重ねる中で、自分たちが本当に何をしたいのか、少しずつわかってきた気がします。

私たちは、大工さんになりたかったわけでも、投資のために家を買っていたわけでもありませんでした。

何かを想像して、形にして、今までやったことのないことに挑戦する。それが好きだったのです。

これまで私たちの宿に泊まってくださったお客様、応援してくださった方々、そして私たちの物語に関わってくださった全ての方に、本当に感謝しています。

私たちの旅は、まだ続いています。

トモヤ & シェリル & チェスナ