見逃された、忘れ去られた、捨てられた空き家の美しさを見せたい話

人生に欠けている何か。夢中になりたくて購入したボロボロの空き家。そしてトラウマになるほどの工事が待っていた。

昔の私達は2人とも何かを最後まで終わらせる事ができななかったのに、2人で1棟のボロボロの古民家を丸ごとセルフリノベーションができて人生初の貸別荘(古民家宿 AKIYA nehemiah 淡路島)を貸し始めた。その話を読んでいない人はこちらで読めます

私たちのチャレンジはボロボロの空き家を宿(古民家宿 AKIYA nehemiah 淡路島)に変えたところで終わるはずだった。

初めての宿がオープンした後、わからない事だらけで入る事になった宿泊業界。宿を管理しながら、宿泊してくれたお客さんの声を聞きながら、少しづつ宿と一緒に成長していきました。「心が癒されたりリラックスができてこれから頑張れる」とか「一生の思い出が作れた」というお客様の声を聞いて、ただ泊まるだけの場所だったはずの宿が、誰かの人生の思い出になる。
そのことを、お客さんが教えてくれました

そして数ヶ月経った頃、なんか作りたい。。

もう一度空き家の大変身を見てみたい。もっと素敵な宿が作ってみたい。毎日散歩していても、車でスーパーに向かっていても気づいたら空き家を探していました。もう一度、あの“何もない場所”が生まれ変わる瞬間を見たい。
次はもっと、本気で。
妥協なしで、

その気持ちは抑える事ができなかったので、もう1回空き家を妥協なしで本当にオシャレなプライベートヴィラに大変身させようと決めました。

一番最初にリノベしたのは海の近くだったから、次は山の方がいいなと思って空き家を何軒が見つけたけどなかなか扉が開かれず、購入まで行けず計画はストップになったりしました。

が。。。

⬆︎購入時の写真 2021/6

そんなある日、ずっと昔に見つけていた一軒の空き家を思い出しました。

草木に埋もれ、誰にも見向きされず、背景みたいになっていた廃墟。

本当にボロボロでした。

でも、その時気づいたんです。

私たちはいつの間にか、“最初からオシャレになることが約束された空き家”ばかり探していたことに。

工事がラクそうだから。
完成が想像できるから。

でも、違った。

私たちが本当にやりたかったのは、
見捨てられたものに、もう一度光を当てることでした。

誰にも期待されなくなった空き家に、可能性を作りたい。
ゴミを、宝物に変えたい。

この空き家は見逃されて、忘れさられて、捨てられていました。

私達にピッタリでした。

そして決めたんです。人生をかけてこのチャレンジに突っ込むことを。

2021年5月開始~20231月終わり。

⬆︎完成の写真 2023/1

この空き家との出会いは、散歩中の偶然でした。

最初はただの廃墟にしか見えなかった。
でも数日経っても、なぜか頭から離れない。

持ち主を探し、手紙を書き、ポストへ入れて待ちました。

数日後、連絡が来ました。

「鍵、開いてるから勝手に見ていいよ。」

そんな感じでした。

-雨漏り、木と草が伸び放題、ボロボロ

発見から数年後、あらためて、宿を作るという目線で内見をすることに。

入った瞬間に分かる雨漏りの雰囲気、諦めたくなるようなボロボロさ。

でも、私たちは逆でした。心の奥から出てくる、ワクワクした気持ちを感じました。これだ!

1軒目(古民家宿 AKIYA nehemiah 淡路島)の購入時と同じような状態だったが、今回はどうやって変化させれるか興奮の気持ちでいっぱいでした。

何十年放置されたこの空き家はこのまま朽ちていくか、解体されるかの建物だった。

そしてその内見の後すぐ、細かいことは調べずに考えずに、持ち主さんに連絡して購入する事になった。

その時の私たちはこのチャレンジにはたくさんの山があり、長い旅になる事も知らずに……….

この空き家のルームツアはYOUTUBEへ↓

-自然との戦い

いきなりリノベと行きたいとこですが、まず伸びすぎた草と、あちこちに生えた木で敷地に入る事ができなく家も見えない状態でした。そして屋根にはデカい木がのっていて屋根を壊していました。

最初はジャングルの中に草刈機とチェーンソーで切り込んでいきました。草は軽トラックパンパン10杯分以上、何十本の木を根から抜きました。一番10m以上ある太く大きな木は木に登って一日かけて伐採しました。

その後には空き家にあったタンスとかの残置物の片付けと、腐った床、壊れたお風呂、トイレ、天井、壁とかを解体していきました。私達が買う空き家のリノベーションはいつも片付けと解体からのスタートです。

-片付け3割 解体4割 造作3割

こういう空き家のリノベーションは本当にマイナスからのスタートで、オシャレな部分よりも前に、終わりが見えない片付けがあります。内装の工事にたどり着くまでに諦めそうになる。

-高さの恐怖を乗り越えて

中の片付けと解体が終わった頃、雨漏りを止めるため屋根を変える必要があり、人生で初めての屋根工事に取り掛かりました。屋根の上に登って、元の屋根の40kgぐらいあるスレート屋根を解体して持ちながら屋根を歩いて下ろすのは本当に怖かった…….。。始まったら途中で止める事ができないのが屋根工事。雨との戦い、時間との戦い、やり方分かんない、諦めそうでもやらないと、休憩なし、休みなし、一回屋根から落ちたシェリル。最初から最後まで手探りで乗りこえた大きな山でした。これが最初は先が長いなあ。

-二度とやりたくない

家全体の耐震補強。

耐震補強も家には必要な工事。鉄筋を組んで、型枠を作って、準備できたらいよいよコンクリートの日。生コン車から2人バケツリレー、バイブレーターでコンクリートを詰めていき、コテで均していく。そしてまた生コンを運ぶの繰り返し。腕はパンパン、足もパンパン、汗かきすぎてもう汗でない。生コン車は待ってくれない。コンクリートも待ってくれない。固まる前に終わらせないと。これも始まったら止めることができない。

完全に人が足りてない!! コンクリートが固まる前の限られた時間の中で死にそうになりながら家の基礎を強くしていった。私たちは弱っていった。

二度とやりたくないチャレンジだった….

-日本とイギリスの古さが混ざる時

でも、その大変な時間の先に、少しずつ“空間”が生まれていきました。

屋根、外壁、基礎、耐震が終わった後にやっとデザイン的なリノベーションの始まりです。今回のリノベでは19世紀のイギリスの窓やドアを日本家屋に入れました。古い日本と、古いヨーロッパ。

違う時代と文化を、一つの空間に混ぜ合わせる。

サイズも合わない。
壊れている部分もある。

それでも、一つずつ直しながら空間に馴染ませていきました。とても繊細で大変な作業でした。明治時代に日本で洋風建築を作った人たちの大変な気持ちが少し分かった気がする。

そのあと真夏の地獄の工事が始まりました。その時はちょうどお風呂工事。元農機具が置かれていた、土壁だった変な形の空間。宿泊で旅の垢を落とすのはやっぱりお風呂ですね。絶対にユニットバスは嫌でした。天井を高く取り、古い梁を見せ、空気まで気持ちよく感じる空間を目指しました。

朝5時から工事をして、途中で宿の清掃へ行き、また戻って工事をする。

そんな毎日を何ヶ月も繰り返しました。

そしてこの宿の一番デザインの要になっている建具周りのモールディング。イギリスの窓やドアの建具に合わせて全てデザインして一つ一つ作っていきました。この宿には、細かいモールディングや巾木のデザインなど、気づかれない部分にもたくさんの時間をかけています。

そのほかにも、壁を張るための地を揃えていったり、石膏ボードを梁や垂木全てを見せるために木の形に切りながら貼っていったり。。

、ここでは書ききれないぐらいの作業とストレスと疲れがありました。なぜか私たちはいつも大変なデザインを選んでしまいます。でもその大変でめんどくさいデザインが積み重なって、それが私たちが作る宿の特徴になっていると思います。誰にも気づかれない大変な場所でも自分たちのやりたいことに忠実に、全ての選択は手加減なしです。

たぶん普通なら、セルフリノベでそこまでやらない。

でも私たちは、“誰も時間をかけない部分”こそ大切にしたかった。

大変で、面倒で、効率も悪い。

-最後の最後のラストスパート

元田んぼだったこの土地は細く長く広い。最初は足も入れなかったこの土地が家と一緒に生まれ変わってきた。この時は本当に長かった工事を思い出しながら、最後の力で庭を整えていった。230枚の板を貼ってフェンスも作って、天然芝生も貼ってドッグランも作りました。

-家を建てる者たちの見捨てた石それが礎の石になった 「ルカ20:17」

一年半。

真夏から真冬まで、季節を一周半。ここまでボロボロの廃墟は正直解体して、新築を建てた方が簡単で早いけど、歴史と味を残したくてこの道とこの方法を選んで、やっと通り抜けました。時には朝5時半から夜暗くなるまで、もう一つの宿の管理と掃除をしながら、休みなしでやっていました。リノベーションって楽しいイメージあるけど、正直に実際は楽しいのは少しだけ。

ですがやっぱり私達の作品作りの中心にある、捨てられたものを素敵な宝物に変えたい、そしてもう一つの目的の宿として貸し出す事。

そしてそれを使ってくれる人がいて、満足してくれること、そこでしか作れない思い出を作って、その人の人生で素敵な思い出の一つになる事。

それが私達のエンジンだった。

本当に満足感の高い、大型犬まで泊まれるおしゃれな宿をもう一回作るチャンスが欲しいと2人で思っていました。その夢は 「古民家宿 AKIYA cornerstone 淡路島」で形になった。

お客様を想像して作ったこの宿を皆様とシェアするのが楽しみでしょうがない。

最後の最後にオープンして、精神的にも肉体的にも復活してきた一年後ぐらい、ずっと作ってみたかったサウナを作ることにした。

もうつかれたくない、考えたくないということで買って組み立てるだけのバレルサウナも考えたが、そこはやっぱり私達、0か100。どうせならサウナ作るなら、自分たちでデザインして作りたい。基礎から始まり、ホゾを取って骨組み、外壁、屋根、内装、ベンチ、薪ストーブをつけるまで、自分たちだけで完成させた。

こうして「古民家宿 AKIYA cornerstone 淡路島」は私達の人生で一番大きい作品として、宿泊してくれるお客さんの充電の場所として動き続けています。」

一軒目が終わってチャレンジがない私達の人生は、この空き家を買ってから大ピンチになりそれを神様と一緒にのり超えました。

この宿づくりは、間違いなく人生をかけた挑戦でした。

トラウマになるほど大変だった。
もう二度とやりたくないと思った。

でも。

お客様が、

「最高の宿だった」
「家族との一生の思い出になった」
「愛犬と特別な時間を過ごせた」

そう言ってくださるたびに、心から思うんです。

“やってよかった”と。

私たちが作った宿は、泊まってくださるあなたによって完成します。

この場所で、少しでも心が休まったり、大切な人との時間が特別な思い出になったなら、本当に嬉しいです。

そしてもし、この宿の空気の奥にある“物語”まで感じてもらえたなら、それ以上に幸せなことはありません。

でもやっぱりもう2度とやりたくない!

廃墟から宿に変えた様子はYOUTUBEへ↓

絶対に空き家のセルフリノベーションはやらない事を決めたのにまた空き家を買っちゃった!↓

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